SNSを開けば、「AIすごい」の大合唱。

なのに会社のPCの中は、去年と同じ。

この温度差、なんなのでしょうね。

こんにちは、だらリーヌと申します。製造業の会社で、製造部門のAI活用を任されています。その前は全社的なAIガバナンス(AIを安全に使うための、会社の決まりごと一式)を作る側にいました。決まりを「作る側」と「使う側」、両方の景色を見てきた人間です。

今日はそんなぼくから、いま話題のAIが実際のところJTC企業(伝統的な日本の大企業)でどうなっているのかを書きます。あくまで弊社の話ですが、似た景色の会社は多いはずです。

JTCの標準装備は、無料のCopilot Chat

たいていの会社のPCには、MicrosoftのWindowsが入っていると思います。

弊社が使っているのはE3というライセンスで、これには無料のCopilot Chatがついてくるんですよね。

こいつが意外と優秀でして。

  • 機密情報を入れてもOK(入力が学習に使われない契約になっているため)
  • 中身は最新のGPT-5系

なんですね。

昔の4o(ずいぶん前のモデル)の頃は本当にひどくて、「AIってこんなもんか」で使う人がいなくなりました。それがGPT-5以降は「いよいよここまで来たか、AI!」に変わって、いまはガンガン使われています。

そして、周りを見ていて一番使われている用途は、ずばり「翻訳」です!

海外から来たメールを、DeepLとGoogle翻訳で頑張って返していた時代は終わりました。Copilotに来たメールを入れるだけで本当に読みやすい日本語になり、なんなら全く問題ない返信文まで作ってくれます。

英語ができる人に言わせると「文法が綺麗すぎる」らしいのですが、ぼくには分かりませんし、仕事は滞りなく回っているのでヨシとしますw

ChatGPTは「申請すれば」使える

では他のAIはどうかというと、申請すれば使える方式です。

たとえばChatGPT。弊社では法務に申請すると使えるようになります。

ただし無料プランは「機密情報を入れてはいけない」というルールつき。機密を入れられないAIで何の仕事をするのか、という話なので、実質ほぼ使えません。

機密を扱いたければ、BusinessやEnterprise(会社として契約する、有料の法人向けプラン)が必要になります。

そして「有料」になった瞬間、景色が変わるんです。

有料になった瞬間、4つの壁が現れる

無料版の申請は、実はそこまで大変ではありません。問題は有料版です。お金が絡むので、まあ、、、そうですよね。

具体的には、この4つが待っています。

  • 費用対効果の壁。「で、費用対効果は?」と、使ってみないと分からない効果を、使う前に数字で出せと言われます
  • 予算の壁。有料版は予算がないと使わせてもらえません。予算は年度で決まっているので、思い立ったときには枠がない
  • 支払いの壁。クレカ払いのサービスは経理処理が特殊で、承認のタイミングが四半期に一回、なんてことも
  • 上司の壁。「別の方法もあるんじゃない?」の一言で、数週間止まります

個人ならクレカを登録して、翌日からAIが使える。

会社だと、半年後。

この時差が、JTC企業のAI事情のすべてだと、ぼくは思っています。

この時差を、中から縮めていく

ここからが、このサイトの本題です。

ぼくはこの壁を、実際に中から突破してきました。

申請の通し方。情シスへの答え方。ルールの作り方。突破に使った紙とことばを、これからこのサイトにぜんぶ無料で置いていきます。

ぼくの成功も失敗も、参考にしてもらえたら嬉しいです!