「家のAIに文章を書かせると、なんか自分っぽくないんだよな」
下書きを頼んで、出てきた文章を読んで、この違和感ありません?
上手い。読みやすい。でも、ぼくの文章ではない。
こんにちは、だらリーヌです! 製造業の会社でAI活用の推進を任されています。前職では、全社のAIガバナンス(AIを安全に使うための決まりごと一式)を作る側にいました。
AIがここまで賢くなると、一般知識では差がつきません。価値が出るのは「その人らしさ」。あなたが何を考え、何を大事にし、どんな文体で、どんな判断をする人間なのか、です。
そして、その「自分らしさ」の履歴が大量に眠っている場所があります。
会社です。
会社員の方限定ですw
会社に眠る「自分データ」はAIパーソナライズの宝の山。ただし持ち出しは基本NG。だから、会社が許可したAIの中で「特徴だけを抽出してみる?」。今日はこの話です。
会社には「あなたのデータ」が大量にあります
思い浮かべてみてください。
- 何年分もの送信済みメール
- 受けてきた教育の履歴
- 仕事で作った資料
- 評価や異動の履歴
- 日々の判断や、文章のクセ

とくにメールです。数年分の送信済みメールは、あなたの文体そのものです。
結論を先に書く人か。クッション言葉から入る人か。お願いの切り出し方。断り方。ぜんぶ残っています。
「これ、家のAIに食わせたら、最強の自分データでは?」
思いますよね。ぼくも思いました。
でも、ここで一回立ち止まりましょう!
「もったいない」と「持ち出してよい」は、別の話です
当然ですが会社のメールを、個人のAIにそのまま読ませるのはダメです。
メールは機密情報の塊です。会社の情報、取引先の情報、個人情報。あなたの文体とそれらの機密が、1通の中で混ざっています。まるごと持ち出したら、機密もまるごとついてきます。
じつはぼくも前職のころ、会社のメモを自分宛てメールで飛ばして、スマホの個人ChatGPTに貼っていました。いまのぼくなら、止める側に回ります。
もうひとつ、見落としがちな点があります。
あなた自身のデータでも、会社のシステムの中にある間は、会社のルールが優先されます。
「ぼくが書いたメールなのに?」
そうなんです。書いたのはあなたでも、載っている情報は会社と取引先のものです。「自分のものだから持ち出してよい」とはなりません。
一方で、持ち出せる可能性があるものもあります。給料明細のように本来は本人に渡される情報や、教育履歴のように本人が確認・保存できる情報です。ただしこれも、会社の規定と情報管理ルールの確認が前提です。
「特徴だけを抽出する」という考え方
では、宝の山をまるごとあきらめるのか。
ここからが本題です。
会社が許可したAI環境の中で、原文ではなく「特徴だけ」を抽出する。
たとえば、こういう情報です。
- 自分の文体(文の長さ、語尾のクセ)
- 性格
- よく使う表現
- 好き、嫌い
- 大事にしている価値観、考え方、行動理念
- 滲み出る世界観
- 判断の傾向
全部読み込ませて、AIにひとつのmdファイルにしてもらいましょう。
メールの原文は、1行も外に出しません。外に出すのは「結論を先に書く。依頼は理由とセットで出す。語尾は柔らかめ」のような、特徴の記述だけです。
この記述に、取引先の名前は入っていません。原価の数字も入っていません。

抽出した内容が機密を含まない形になっているなら、個人AIのカスタマイズ材料にできる可能性があります。
家のAIの設定に書き込めば、冒頭の「なんか自分っぽくない」問題に効くかもしれない。ブログや副業の発信、自分専用AIの人格づくりの材料にもなるかもしれない。
「かもしれない」を重ねているのは、わざとです。ぼく自身、まだ「これはいけるかも」と気づいて、考え方を整理した段階です。効果を約束できる段階ではありません。
と、、、梯子を外すようでスミマセン。
やる前に、確認が2つあります
この方法、前提がそろわないと成立しません。抽出の技そのものより、この確認のほうが大事です。
1. 抽出結果に機密が混ざっていないか、外に出す前に確認してください。
「仕事でよく出るテーマ」あたりは、固有名詞が混ざりやすい項目です。取引先の名前や未公開の数字が残っていたら、そこで止める。
2. 抽出した「自分らしさ」も、扱いは慎重に。
文体や価値観のデータも、悪用される可能性はゼロではありません。どこにでも貼っていい情報ではない、と思って扱ってください。
今日の一歩
やることは1つだけ。
自分の送信済みメールを10通、AIに入れずに自分の目で読み返して、「よく使っている言い回し」を3つメモしてください。
AIには入れない。目で読むだけ。
見つけた3つが、あなたの「自分データ」の最初のメモ。いつか会社のAI環境で抽出する日が来たら、答え合わせに使えます。
あなたのらしさは、もう何年分も会社に蓄積されています。なんとか上手に活かす方法を考えましょう!