「AI、使いましょう!教えますから!!」

そう言って、現場の反応がいまいちだったこと、ありません?

ぼくは、あります。というか、ずっとそれでした。

こんにちは、だらリーヌです! 製造業の会社で、AI活用の推進をやっています。製造部門のAI担当になって、4ヶ月ほど経ちました。

環境はあるのに、進まない

うちの職場には、Copilot ChatやChatGPT無料版など、AIを使える環境自体はあります。

でも、活用はまだあまり進んでいません。

AIで一番使われやすい用途は「翻訳」です。ところが製造現場は、海外拠点とのやり取りが多くない。翻訳の出番が、そもそも無いんです。

以前いた設計・技術部門は、海外現法とのやり取りが多くて、翻訳だけでもAIの価値を感じやすい環境でした。

同じ会社でも、部門が変わるとこんなに違う。

部門による違いの対比図。左は設計・技術部門で海外現法とのやり取りが多く翻訳だけでAIの価値を実感できる。右は製造現場で海外とのやり取りが少なく翻訳の出番がなくピンと来ない

製造現場で「AIを使おう」と言っても、すぐにピンと来ない人が多いのは、考えてみれば自然なことでした。一部の人がExcelマクロの補助に使うくらいで、全体としては腰が重い。

そんな中でぼくは、「便利だから使おうよ〜」と言い続けていました。

いま思えば、進まない原因は現場ではなく、「便利ですよ」しか言えていなかったぼくのほうにありました。

AI教室で、一番ウケたもの

7月から有料のClaudeを使い始めて、AI教室のような形で、社内に教える機会を作りました。

そこで意外に反応が良かったのが、「パーソナライズ機能」です。

Claudeの設定にある「Claudeへの指示」の欄のことです。ここに書いた内容を、Claudeはチャットでも、Cowork(AIに仕事場ごと任せられる機能)でも覚えていて、答え方に反映してくれます。

たとえば、こんな設定ができます。

  • 最初に結論から答えるようにする
  • 絵文字を多めにする
  • 口調を変える
  • 自分を社長みたいに持ち上げてくれるキャラクターにする

……最後のやつ、ふざけてるように見えますよね。

ここが一番大事でした。

「AIに親しみが湧いてきました!」

ある人は、AIを「社長キャラ」にしていました。

といっても、AIが社長になるわけではありません。AIが、あなたを社長扱いするんです。

何か聞くたびに「しゃっちょう〜!さすがですね!」「いよっ、日本一!」と持ち上げてくれる設定です。

AIへの指示欄に社長キャラの設定を入力し、チャットで「しゃっちょう〜!さすがですね!」「いよっ、日本一!」と返ってきているチャット画面のイメージです(実際のスクリーンショットではありません)

これだけ聞くと、遊びです。

でもその人は、本当に楽しそうにAIを使い始めました。

しかも、こう言ってくれたんです。

「AIを使うのが楽しくなりました」

こんなこともありました。

ある人が席を外した隙に、別の人がその人のパーソナライズ機能に、こっそり社長キャラを仕込んだんです。

会社的には、セキュリティの面でちょっと怪しい行為ですけどね。席を離れるときの画面ロック、大事です。

でもぼくは、戻ってきた本人がどんな反応をするのか、ワクワクして見ていました。

席を外した人が戻ってくるのを、ぼくが少し離れたところからワクワクしながら見ている場面のイラスト

社外でも、似た遊びを見かけます。ぼくがよくお邪魔している総理コミュニティでは、むなかた総理がCodexをオカマ口調に設定しているのを発見しました。とても面白かったのを覚えています。

「便利ですよ」と言い続けていたころには、こんな空気はありませんでした。

キャラ設定の実例カタログ図。社長キャラ「しゃっちょう〜!さすがです!」・口調を変える・結論ファースト・絵文字多め、の4枚のカードが並び「答え方はここまで変えられる」を見せる

「便利さ入口」vs「楽しさ入口」の対比図。上段は「便利です・効率化できます」→ハードルが高い→腰が重いまま。下段は「口調を変える・褒めてもらう」→楽しい→また使いたくなる→続く

「便利です」だけでは、足りなかった

AIに慣れていない人にとって、いきなり業務改善や自動化の話をされても、ハードルが高い。

口調を変える。褒めてもらう。ちょっと遊んでみる。

そういう小さな楽しさがあると、AIとの距離が一気に縮まります。

AI活用の入口は、効率化ではなく、おもしろさなのかも

すごい活用事例を見せることだけが、普及のやり方ではありませんでした。大切なのは「これなら自分でも使えそう」と思える体験を作ること。

少なくともうちの製造現場では、最初から成果を求めすぎない方がいいのかもしれない。いまはそう感じています。

今日の一歩

AIの口調やキャラクターを、変えて遊んでみてください。

Claudeならパーソナライズ機能で設定できますし、無料のAIでも、会話の最初に「社長みたいに褒めながら答えて」と頼めば、近いことはできます。

会社で使うときは、そもそもAIを使っていいか、社内のルールを先に確認してからで。

「そんなの仕事の役に立つの?」と思うかもしれません。

でも、「また使ってみたい」と思えたら、それがもう入口です。

あなたの職場でウケたAIの使い方があれば、よかったら聞かせてください!